北本東中央通り商店会の活性化

                  

 北本東中央通り商店会の活性化について考えていきたい。住所は埼玉県北本市北本3丁目、最寄り駅は北本駅となっている。駅から徒歩3分と非常に駅から近く、足を運びやすい立地となっている。商店街としての規模は大きくはないが、飲食から理容美容店、健康、医療まで幅広く店舗を揃えており、充実した商店街になっているといえるだろう。また、商店街に面した駅前の通りでは工事が行われたおかげもあって、道幅が広くなり、安心で安全な歩行者に配慮された路面となった。

 北本東中央商店会では季節ごとにイベントを開催しており、一見賑わっているように見える。しかし多くの商店街の場合、街の住民と協力して地域活性化などのイベントと称して、商店街や地域が賑わったとしても一時的なものに過ぎず、継続して盛り上がりのある商店街はごく一部である。北本東中央商店会もその例外ではない。普段の通勤通学の時間帯、夕方などは人通りこそ多いものの、商店街の店舗へと足を運ぶ人はわずかという状態になっている。この商店街の弱みとしては、時代に左右されず比較的需要のある店舗は充実しているものの、人々の目を惹きつける目新しいものやトレンドを押さえた店舗がないといったところにある。また、隣街の鴻巣市では雛人形などの伝統工芸があるため、それだけで建造されている建物に歴史や文化を感じる風情ある町並みになっている。対して北本市には伝統といった伝統がなく、町並みも変わり映えのしない平坦な町並みが広がっている。そのため、商店街全体を通してみてもこれといった特徴がなく、閑散としている。つぎに根本的な問題が2つある。その1つが、多くの商店街に設置されているゲートがないというところにある。商店街のゲートといえば商店街の入り口を象徴するものであり、それがあるだけで商店街としての風格でてくる。また、ゲートがないことにより商店街として人々に認識されにくい状況を作り出している。2つ目に、商店街としての規模の小ささである。組合数は19と、けっして多くはない数である。年々、全国で商店街のシャッター通り化が進んでいるのが現状であり、北本市でも、駅から二番目に近い三軒茶屋商店街がシャッター通りとなっている。大型の商業施設の建設が進んでいく中で、商店街が存続していくのは非常に厳しい状況となっており、北本東中央商店会もその例に漏れないだろう。

 これまで北本東商店会の問題点・課題について触れてきたが、商店街の強みについても触れていきたい。まず初めに、駐車場が完備されている点である。駅から近いため、徒歩でも気軽に足を運びやすいのはもちろん、駐車場が完備されていることによってお年寄りの方や障害をもった人にも利用されやすい環境となっている。つぎに、定期的にイベントが行われるといった点である。その1つが「春のフラワーフェア&100円商店街」である。「100円商店街」とは、北本東中央商店会の駐車場に設けられた商店街で、手軽に100円で購入できる生活応援セールをはじめ、市内商店の飲食ブースや地元の野菜を買うことができるブースが設置されている。それと同時に季節の鉢花があたる抽選を実施している。2つ目に、10月に行われる「ハロウィンカーニBAR」と称するハロウィンイベントである。これは、埼玉県の各地で行われている「彩の国街バルラリー」に、北本中央通り商店会の店舗を含めた43の市内の店が参加したものであり、北本市の場合、主催は北本中央商店会となっている。内容としては、3枚綴り2000円のチケットを購入し、1枚1メニューで参加店の飲食店や商店を利用できるというイベントである。それと同時に、300名限定で仮装コンテストも実施されており、ディズニーランドのペアチケットなどの賞品が用意されている。最後に、「クリスマスイルミネーションフェア」である。これは、11月の下旬から1月中旬まで、商店街と各店舗をイルミネーションで飾り付けるというもの。また、花や商品が当たる抽選会も12月中旬に実施している。他にも、市内に唯一ある高校、北本高校と連携して、ハロウィンの時期には生徒会が制作制したハロウィン装飾を北本駅東口前に設置していたりと、街づくりにも大きく貢献している。

このように、北本市中央商店会には良い点も多いが、先述した通り改善していくべき点も多く、どのように改善していくべきか活性化策を提案していきたい。その1つとして、シャッター商店街となっている三軒茶屋通り商店街との連携である。2つの商店街の距離は非常に近い位置あるため、商店街としての規模が拡大するだけでなく、三軒茶屋通り商店街のシャッター化が改善されるのである。商店街の規模は重要で、規模が大きければ必然的に店舗数も増えるため、それだけでその商店街が衰退していく確率が下がるのである。次に、商店街の店舗内容を改善していくべきだと考える。どうしても商店街というと、昔からある老舗のような店が建ち並んでいるようなイメージがあるため、実店舗を見たときのギャップがあるだけで、商店街の印象・イメージが一瞬にして変わる。また現代では、Twitterfacebookなどのsnsが発達しているため、情報発信源として若者の支持が必要になってくる。そのためには、流行を押さえた店舗を出店し、少しでも多く商店街の集客率を高め、情報を発信していく必要がある。この2つの活性化策はシンプルで基本的なことではあるが、商店街を衰退させないためには、大型商業施設まであしを伸ばさなくても、流行を押さえたものを身近で手軽に利用できることが重要であると考えた。商店街の活性化策は様々だが、商店街を衰退させたいために最終的に重要なことは、商店街を運営する方々の熱意ややる気にかかっていると言えるだろう。